白木屋大火 (東京・日本橋） 1932年12月15日
1932年（昭和7年）12月16日午前9時15分頃、4階の玩具売り場で火災が発生。地下2階、地上8階の建物の4階から8階までを全焼して午後12時過ぎに鎮火した。
この火災では、逃げ遅れた客や店員ら14人が死亡、500人余りが重軽傷を負うなどした。
日本初の高層建築物火災で、4階にいた客や店員は驚いて避難を開始したが、エレベーターや階段が煙突の役割をして、あっという間に4階から最上階の8階までが猛煙に包まれた。
12月は、歳末大売出しとクリスマスセールが重なる時期でもあり、店内は華やかな飾りつけがなされていた。開店前点検でクリスマスツリーの豆電球の故障を発見し、開店直後に男性社員が修理しようとした時に、誤って電線がソケットに触れ、スパークによる火花が飛び散って、クリスマスツリーに着火。火は山積にされたセルロイド人形や、おもちゃに燃え移り、瞬く間に猛烈な火炎をあげた。この社員は消火活動をしているうちに煙に巻き込まれて死亡した。
警視庁消防部は通報を受けてポンプ車29台、ハシゴ車3台などを出動させ消火活動にあたったが、ハシゴ車は4階まで、ポンプも送水圧力が上がらず、4階より上への放水が出来ない。
日本橋消防署に在籍する器械体操の経験者が、消防車積載の梯子を外壁に垂直にかけてよじ登り、ロープで固定して避難ルートを作った上で被災者を誘導した。
しかし、一部の客や店員らはパニック状態に陥り、売り場にある布やカーテンを結んでロープ代わりにしたり、女性店員の帯を結んで脱出を試み、途中で切れて転落死した。
また、消防部が地上で張った救助ネットをめがけて、7階から飛び降りて助かった客や店員が80人前後いたが、目測を誤って地面に激突して死亡した人もいた。
この火災は「女性の洋風下着が普及するきっかけとなった」との説があり、自分もそのように認識をしていた。
しかし、「記録によると、1人を除いて犠牲者は全て飛び降りや帯・避雷針などで降りようとして失敗したことによる転落死だった。また、多くの従業員が消防士の救助で助かっている」らしく、ある新聞の記事（捏造か誇張）から広まった都市伝説との噂もある。
【白木屋】
東京都中央区日本橋一丁目に存在した江戸三大呉服店の一つで、かつて日本を代表した
百貨店のひとつ。法人自体は現在の株式会社東急百貨店として存続している。
戦後、日本橋交差点の好立地にありながらも業績が伸び悩んでいた白木屋に対して、当時繊維関係の商社を経営していた横井英樹が株の買い増しを開始する。
1954年（昭和29年）には、遂に白木屋経営陣と横井氏との全面対決になるが、当時、横井氏を金融面で支援していた千葉銀行は、1955年（昭和30年）横井が金策で行き詰まってきた為、東急グループ総帥の五島慶太に支援を要請。
五島氏は熟考の末に、事態収拾の為、横井氏らが保有する株式を買収し、経営権を掌握する。
横井氏は白木屋から手を引き東急が業績不振の白木屋を再建する目的で買収する形となって、乗っ取り騒動は一件落着した。
1967年（昭和42年）に商号・店名ともに「東急百貨店日本橋店」と改称されたが、その後も売れ行き不振が続き、1999年（平成11年）1月31日に閉店し、白木屋以来336年の永い歴史に幕を閉じた。
正月2日から始まった閉店セールは新聞・テレビなどで大きく報道され、初日から押すな押すなの大盛況で、店としては過去最高の前年対比5倍以上の10万7000人が訪れて、7億円強を売り上げ、閉店の1月31日までの来店客は204万人、売り上げは年商の約半分の165億円だった。
現在、跡地には「コレド日本橋」が建設されて2004年（平成16年）3月30日に開業している。
【コレド日本橋（日本橋一丁目三井ビルディング）】
1999年に閉店した東急百貨店の日本橋店（旧白木屋本店）跡地の再開発事業として、三井不動産と東急不動産により2004年に竣工した。
永代通りと中央通りが交わる日本橋交差点に位置している。
オフィススペースには、メリルリンチ日本証券、三菱UFJメリルリンチPB証券などが入居、商業区画 「COREDO日本橋」の運営は、三井不動産グループの三井不動産商業マネジメントが行っている。
主なテナントはアパレル系の衣料品・セレクトショップ等とレストラン30ほどの店舗と、地下1階に東急ストア運営の食料品スーパーがある。
写真は、中央通りの日本橋二丁目交差点付近。
右奥に見えるノッポのビルが、コレド日本橋（日本橋一丁目三井ビルディング）
ビルの外壁上部には、「Merrill Lynch」の文字が見える。
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コメント (1)
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今では居酒屋チェーンの名称ですね。
2014年12月16日 17:21 きしめん 百八 (5)
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