旅
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美しい町
ふと思ひだす、あの町の、川のほとりの、赤い屋根、
さうして、青い大川の、水の上には、白い帆が、しづかに、しづかに動いてた。
さうして、川岸(カシ)の草の上、若い繪描きの小父さんが、ぼんやり、水をみつめてた。
さうして、私は何してた。
思ひ出せぬとおもつたら、それは、たれかに借りてゐた、御本の挿繪でありました。
金子 みすゞ
アルバム: はじめの一歩
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